自己肯定感が低くなってしまうインポスター症候群は、現代社会の中で生まれた現代病と言えます。
インポスター症候群は私たちが日常生活の中で経験する特定の原因やきっかけ、イベントに対する反応だと考えられています。
そのため、誰でも経験する可能性があるといえるでしょう。
もともとインポスター症候群という名称が使われたのは、スザンヌ・アイムス氏とポーリン・クランス氏の研究が始まりです。
当初の研究では、社会的に成功している女性が自分の成功を自分の努力の賜物だととらえない傾向がある現象を検証していました。
なぜ男性ではなく女性に多いのかについては、まだ研究では明らかにされていません。
しかし、インポスター症候群に関係していると考えられているものがあります。
それは、男性と女性の出世のしやすさやキャリアの築きやすさなど、女性の社会進出が困難であることです。
また、インポスター症候群は症候群とついていますが、医学的に精神疾患と認定されているわけではありません。
精神疾患ではないため、明確な治療法や効果が期待できる医薬品が存在するわけでもないのです。
多くの人が、人生の中で多かれ少なかれ経験する状態で、治療が必要な疾患でもない位置づけにあります。
このことから、インポスター症候群のことをインポスター体験と呼ぶケースもあるようです。
名称が変わることで、治療した方がいいと感じることもあるかもしれません。
一方で、多くの人が共有できる経験だと感じられるなど、受け取る側の印象は大きく異なるでしょう。